第一回 
  四国遍路の旅  5月13日〜26日  徳島1番 霊山寺 〜 高知最御崎寺

           第一回には違いないが第二回があるかどうかは全くわからない。





      目次です。日付をクリックするとその日の記事に飛びます。


     13日 第 0日目  自宅 → 天津空港 関空   関空内無料休憩所でごろ寝
     14日 第 1日目  自宅 → JR徳島駅 01例山寺→02極楽寺→ 03金泉寺   五百羅漢寺でテント泊
     15日 第 2日目  04大日寺 05地蔵寺 06安楽寺 07十楽寺 08熊谷寺 09法輪寺 10切幡寺 切幡寺近くの駐車場でテント泊
     16日 第 3日目  昼 鴨の湯着  入浴  善根宿いやしの舎 泊(無料)
     17日 第 4日目  11藤井寺 長戸庵 柳水庵 浄蓮庵 12焼山寺 杖杉庵でテント泊
     18日 第 5日目  午前中に 神山温泉 着 「四季の里」でへ入浴  コットン・フィールドでテント泊
     19日 第 6日目  昼過ぎ 安嶋くんと会う 13大日寺 14常楽寺 15国分寺 16観音寺  「うろこ楼」和風旅館泊 
     20日 第 7日目  17井戸寺  徳島駅近くで安嶋くんと別れる 露カ本遍路小屋でテント泊
      21日 第 8日目  18恩山寺 19立江寺 道の駅「ひなの里かつうら」でテント泊
     22日 第 9日目  20鶴林寺 道の駅「鷲の里」でテント泊  旅館「そわか」で日帰り入浴
     23日 第 10日目  21太龍寺 22平等寺 福井ダム公園でテント泊
     24日 第 11日目  国民の宿「うみがへめ荘」で旅館泊
      25日 第 12日目  23薬王寺 日和佐→阿佐海岸鉄道→宍喰 ホテルリビエラ泊 
     26日 第 13日目  ホテル→神浦まで歩く 神浦→高知東部バス→徳増旅館前 徳増旅館泊 
     27日 第 14日目  朝 室戸荘 着 荷物を預けて深海水温泉に 夜 滝澤さん夫妻と会食
     28日 第 15日目  朝 滝澤さんに迎えに来てもらって車でJR舞子までへ送ってもらう 新開地ASAHIサウナ泊





5月13日 (金)  第0日目

17時頃 自宅発 地下鉄で空港へ
18時頃 天津空港着。


出国検査がえらい厳しくて
せっかく買った100円ライターを没収されてしまった。
マッチも持っているだろうとか言われたが
持っていないと言うと、探せ、という。
無いと分かっている物をさがせるか!
というとあきらめたようだ。

搭乗口で1時間あまり待つことになったので
パソコンを開いたが、UP出来ないのは勿論、
ホームページビルダーが故障となった。
いつか自然と治っていることを期待して
一太郎でこれを書いている。

日本時間11時15分 関空着
予定よりも1時間早くついている。
しかも、入国手続きで長蛇の列をなしている中国人の横をすり抜けて
日本人窓口は私一人。
税関でも何も聞かれずに入国。
一番に携帯のレンタル屋に行ったが、もう閉まっていて
明朝6時半から営業しているというので
明日、尋ねてみることにする。

無料休憩所で毛布を借て、
長椅子の場所を確保してからローソンで
つまみと酒を買って、
やっと落ち着いて一太郎でこれを書いている。
この無料休憩所は携帯の充電設備などは完備しているが
インターネットにはつながっていないようだ。

日本時間ではもう14日になっている。
いまから一人酒盛りをして寝る。

     今日歩いた歩数 4832歩

   なぜ四国遍路なのだ? とよく聞かれる。
   なぜってことは何もない。
   なぜ人間なのか、なぜ生きているのか
   と聞かれて答えられないのと同じである。
   特に反省や懺悔をしたことがあったわけではない。
   なぜ? と聞かれて
   そこに山があったから、と答えた人がいた。
   私の場合、ふっとそんな気になったから、というだけのことである。


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5月14日 (土)  第1日目

6時きっちり起床、毛布を返してまずレンタル電話屋へ、
何軒も廻ったがどこもクレジットカードがへ無いと
ダメだと言うことであきらめて、
8時30分 徳島行きのバスに乗る。
11時15分 徳島駅着。高徳線に乗り換えて約30分、
12時43分 板東駅着。

第一番霊山寺で遍路用品一式購入。
1番霊山寺、2番極楽で般若心経その他諸々のおつとめを果たし、、
3番金泉寺に向かう。どうやら道を間違えたらしい。
人に聞くとずっと前に通り越してしまっているという。
仕方が無いまた引き返す。もうめっちゃめちゃ疲れた。
3日目か、4日目の12番焼山寺あたりが
遍路転がしと言われているが
私はやっと3番金泉寺によ向かうあたりで転がっている。
途中トラックの走る道端に座り込んで、
もうやめようかなやどと考えていた。
30分ほど道路脇でへたり込んでいると
また何となく元気が出てきて
杖にすがりながらヨタヨタと歩き始めた。

なんとか6時前に4番大日寺と5番地蔵寺の中間、五百羅漢に到着、
広くて美しく整備された庭園であった。
人は誰もいないからここの庭に無断でテントを張って、
6時半頃にはもう寝ていた。夜中は寒くて何度も目が覚めた。

     今日歩いた歩数 28414歩


   今回の遍路ではお寺さんにもお大師さんにも
   一銭のお賽銭も差し上げなかった。
   納経帳とか言って300円ほど出して
   お寺の判子を押してもらうのもしなかった。
   おかげでお寺に19時着、翌朝5時に出発しようと
   何の支障もない。これは便利だった。
   唯一 お寺にお金を払ったのは
   五百羅漢の見学料だけだった。



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5月15日 (日)  第2日目

ふと気がつくと外はもう明るくなっていた。
ウグイスのこえがほがらかである。
無断設営なのでバレてはまずい。
あわててテントをたたんで出発。
まずは4番大日寺にお参り。
どういうわけか、ここの犬が寄り添ってきて
杖を囓ったり、芦の親指を舐めたり・・・・
そういう私を見てか
100回以上遍路を廻っているという女の人から
金襴緞子のお札を頂いた。
これからこれをお守りにしよう。

坂道をまたもどって金200円也の参観料を払って
五百羅漢を参観。

そのあと地蔵寺を拝んで、6番安楽寺に向かう。
もうすぐ安楽寺というところでベンチがあったので
ちょっと座っていると地元の叔父さんが来て
すぐ側の遍路小屋に案内してくれる。
畳も敷いてあり、毛布もあって宿泊可能な
立派な遍路小屋である。
そこからこのおじさん(80歳)の話は止まらない。
中将山の話、その子孫の話、お寺の住職の話、吉野川の砂利の話と
1時間以上しゃべり続けていた。
私は耳がよく聞こえないので
時々適当に相づちを打ちながら聞いていただけだが
別れ際に、そのおじさんに今日はいい話を
聞かせてくれてありがとう、と言われたのには驚いた。

そしてまた歩き始めて、
足の疲れが完全になくなっているのに、また驚いた。
やっぱり休憩はしっかり取れという お大師様のお計らいかな。

休憩所を出て少し行ったところで私の横に車を停めて、
これ「お接待」ですと言って生姜糖をくれた人がいた。
お接待でものを頂いた最初である。嬉しかったな。

無事安楽寺を参拝、もうちょっとで十楽寺というところに
立派な休憩所があったので休憩がてら
生姜糖を食べながらこれを書いている。

また、しばらく歩くと
ビニール小屋の休憩所があったので立ち寄る。
ここは店も兼ねているみたいでおじさんがいて
ヨーグルトのお接待を受ける。
私の足下(サンダル履き)を見て
その靴じゃあ遍路転がしは抜けられないよ、
藤井寺の門前町で真面目な運動靴を買えと忠告される。

6番 安楽寺、7番十楽寺を参拝、
今日は8番熊谷寺あたりで野宿、と思っていたが
熊谷寺についたのはまだ3時、
今からテントはちょっとなぁと思って
9番法輪寺を目指してまた歩き始めた。

田植えを終えたばかりの5pほどの稲穂の広がる歩きやすい道である。
お寺の前の茶店で「そば米汁(蕎麦の実と米、竹輪、油揚げ、人参などを
粥風に煮込んだもの)」を注文、それを食べながら
この辺に野宿できるところはないかと聞くと
やっぱり10番切幡寺まで行け、
そこだと2階建ての東屋があって無料で泊まれる、
なんだったら車で送っていってあげるという、が、そうも行かないのでまた歩き出す。

切幡寺まできたがそういう東屋風のものはみつからない。
うろうろしていると遍路用品店があったのでここで丸型の網代笠を買う。

近くを歩いていたお兄さんに近所でテントを張れるところはないかと聞くと、
あそこに車がたくさん停まっている広場があるやろ、あの隅っこにでも張ればいいという。
あそこ、私の土地だから、と言ってくれる。
今度は許可をもらっているのでココアやレモンテーなど作って飲んで8時ごろ就寝。

     今日歩いた歩数 39408歩


   家で一生懸命に作った手製のコンロ、
   ここで初めて使ったんだけれど、
   すぐに火が消えて全く役に立たない。
   家でいちども実用しないまま持ってきたのが失敗だった。
   左手に鍋、右手にガスバーナーで
   直接炙ってやったら数分でお湯は沸騰する
   以後、その方式で味噌汁やコーヒーを作って飲む。


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5月16日 (月)  第3日目

6時起床。テントをたたんで、温かいコーヒーを飲んで
昨日の坂をもう一度登って切幡寺を参拝。
朝一番とは言え最後の333段の階段はきつかった。

しかし、今日は次の11番藤井寺まで9.3キロの
半日コースなので気は楽である。
悠々と、そして意気揚々と歩いていると
女の人に呼び止められて
もし藤井寺に行くのでしたら道が違ってますよ
と教えられる。危ないところだった。
もし、この人に会わなかったら
どこまでいってしまっていたことやら・・・
金泉寺の失敗が思い出される。

途中、郵便局があったので
安嶋くんに連絡を取ろうと公衆電話を頼む
郵便局には公衆電話は無いんだとは知らなかったなぁ。
局の人が自分の携帯をどうぞ、と使わせてくれる。
彼の携帯に電話するが、いくら待ってもかからない。
仕方なしに固定電話にするとすぐにかかった。
携帯の番号を間違ってメモしていたのだ。
なんかこういうミスが多いな。

何度も道を聞きながら鴨の湯善根温泉を目指す。
鴨の湯は藤井寺の2キロも先にあるんだ。
知らなかった。でももうここまで来たら
気持ちはお寺より温泉である。
藤井寺への曲がり角を素通りして
鴨の湯を目指す。
善根宿っていうからもっと鄙びたところと思っていたら
えらい大きくて立派な建物だったので
これじゃあなかろうと通り越して
人に訊くとあれですよと指さされあわててとって返す。

鴨の湯到着は1時30分である。
ここは本当に素晴らしい。
温泉の裏にはちゃんとした小屋(無料)があり、
そこに荷物を放り出してすぐに温泉に入った。
山の風景を十分に取り込んだ露天風呂も素晴らしい。
風呂よし、風景よし、風情よし、である。
大人一人470円のところ、歩き遍路は360円というのも
金額の問題とは違って嬉しい。
サウナと露天風呂を交互に1時間半ほど風呂を楽しんで
小屋に戻り、すぐにレンタル(無料)の自転車を借りて
1キロほど離れたコンビニへ酒とつまみを買いに行く。
コンビニからの帰り、ポツリポツリと雨が落ちてきたが
小屋に戻り、自転車を返したとたん本降りに。
小屋の中は禁酒禁煙となっていたので
雨の中、屋根とテーブルだけの東屋で
一人宴会を楽しみ、久しぶりに畳の上に寝る。

この小屋がなければかなりの大雨の中
テントでへの宿泊はどうなっていたことやら
お大師様のお助けだわな。


今日歩いた歩数 23442歩


   今度の遍路で何か得たものは、と聞かれると
   やっぱりテントではないかな。
   テントで寝るということへの自信かな。
   家が無くとも、庵がなくとも生きていける自信のようなもの。
   もう少しいい寝袋があれば路上生活もこわくはないよ。


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5月17日 (火)  第4日目

6時起床。テントをたたんで、温かいコーヒーを飲んで
未明まで雨の音がしていたが、
4時半ごへろ起きてみるとすっと晴れている。
本当に私にあわせての雨や晴れといった気がする。
昨日コンビニで買ったコーンスープと味噌汁といった
変わった組み合わせの朝食の後、身支度を調える。
靴は買えずにサンダルのままだけれど
服は転んだときのために長袖・長ズボン、
靴下もちゃんと履いた
6時15分、鴨の湯の人はみんな寝ている中
お礼の挨拶も出来ずに机の上にお札を置いて出発。

7時過ぎ、約2キロ余を戻って藤井寺を参拝。
大便をして、いよいよ遍路転がしへの挑戦である。
いきなり険しい登り道の連続。
水の無い「水大師」を経て、
9時45分 長戸庵着

長戸庵を出て、今度は長い下り坂である。
登りもしんどいが下りも結構疲れる。
柳水庵手前の下りの敷石階段は恐かった。
11時40分 柳水庵着
元々はここで野宿と思っていたんだが、
昼前に着いてしまったのではそうもいかない。
ここで1時間半ほど休憩して
13時過ぎ柳水庵発。
14時20分 浄蓮庵着
焼山寺についたのはもう5時40分となっていた。
足も身も心もガクガクである。

もう少し先の杖杉庵にはトイレも水もあるというので
もうくたくただったけどそこまで足を伸ばすことにする
6時30分 杖杉庵着。
トイレはあったけど水は止められていた。
仕方がない、砂利石の上にテントを張って即座に寝る。
着替用の服など全部を出してきて着たけれど一晩中寒かった。
地面の砂利は背骨が凍るほどに冷たかった。

今日歩いた歩数 35179歩


   しんどいことも沢山あった。
   でも、そのしんどい数だけ、
   休憩したときの安楽さ、気持ちよさを
   声を上げて味わうことが出来た。


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5月18日 (水)  第5日目

4時30分 寒くて寒くて仕方が無いので薄暗い内におきた。
5時10分 飲み水もないのですぐに歩き出す。

歩き始めてすぐだったけど
鍋岩お遍路駅という所に着いた。
誰も人がいなかったんだけれど水道が目に付いたので
ここでちょっと長めの休憩をとる。

さらに歩いていくと、大きな鋼材置き場があり
ベンチ代わりになりそうだったのでそこに腰を下ろす。
びっくりするほど冷たかったのであきらめてとぼとぼと歩き出す
すると1分も行かない内にトイレ・水道・椅子・テーブル完備の
立派な休憩所があった。
もし、あのにまんま冷たい鋼材置き場で休憩をしていたら
泣いても泣ききれぬ思いになったことだろう。

今日は鴨の湯で同宿だった人から強く勧められていた
「神山温泉」というところに泊まろうと決めていた。
その神山温泉に着いたのがなんと午前9時。
「四季の里」という立派なホテルに泊まるつもりだったが
満員ということで、裏のコットン・フィールドという
キャンプー場にテントを張らしてもらうことにして、
事務所に荷物を預けて、四季の里に戻り、
3時間ほど風呂に入ってから、
レストランでビールを飲みながら
この原稿のワープロ打ちをする。

ここは公衆電話もあったので安嶋くんに電話を入れる。

  > 陣中見舞いに こんな予定も考えている 如何
  > 19日10時45 JR徳島駅に着くバスがある
  > 55分発の電車に乗れると11時6分に 府中駅に着く
  > 10分の乗り換えは難しいかな バスの到着がもう少し早いといいのだか
  > 14常楽寺-17井戸寺辺り一緒に回れるのでは
  > 徳島で一泊して
  > 20日は一つ二つ巡り 夕方徳島発のバスで神戸に帰る

とのこと、おいおい、19日って明日じゃあないか。
ここが温泉でなければ常楽寺も井戸寺も18日中に
通りすぎでいるところだった。
とにかく、じゃあ明日12時に14番常楽寺の山門で、
と約束をしてコットン・フィールドに戻りテント設営。

そしたてまた、四季の里に行って入浴。
酒二杯とつまみを買って帰りテントサイトで大きな月をみながら一人宴会。
結構いい気分になって、そのまま寝てしまったので夜中 午前1時ごろ、寒くて寒くてたまらなくて
ありったけの服を着たがそれでも寒かった。

今日歩いた歩数 23049歩


   宴会も好きだけど、一人宴会もいいものだよ。
   海があったり、月があって、時には雨もあって
   勿論 酒もあって・・・・
   ほんと最高!!


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5月19日 (木)  第6日目

朝5時 寒さにたまらず起床。
6時20分 出発。
事務所に金剛杖を忘れていることに気がついたが
事務所には誰もいなかったので杖はあきらめて出発。

余裕で行けると思っていたが、予定は大幅に遅れ
常楽寺までは十数キロ、特に山地でもないし
12時 14番常楽寺はとても無理なので
13番大日寺まで歩いてきてくれ、と電話を入れる。
結局、12時大日寺も無理で、その数キロ手前の
「おもてなし亭」という遍路小屋のあたりまで
逆送してきてくれた安嶋くんと出会うことが出来た。
大日寺到着は2時を過ぎていた。

5日間歩き通して、
今日も朝から8時間歩いての大日寺である。
もう動けん、という気分だったのだが
安嶋くんは元気である。
13番大日寺で15分ほども休憩すると
おい、そろそろ行こうぜ、ときた。

そんな調子で、そんなに休憩ばっかりしとったら、とか
そろそろ行こうか、とせかされながら
14番常楽寺、15番国分寺、16番観音寺と参拝したところで
今日はここまでと近くの「うろこ楼」という旅館に泊まる。
すぐに風呂(温泉ではなくて小さな家族風呂)に入って、
近くのうどん屋で夕食。
さし当たってビールを注文したが、
メニューにはうどんしか載っていない。
ただ一つ、「竹輪の天ぷら」というのがあったので
それを注文すると竹輪天ぷらうどんだった。

帰りに缶ビールを買って帰って
7時半ごろまでしゃべりながら飲んで
和室の柔らかい布団にくるまって寝た。


         今日歩いた歩数 44471歩


   「お接待」という文化、いいなぁ。
   神戸や天津ではちょっとしにくい、と思っている
   神戸や天津でそんなことしたことがないからしにくいんだろうな。


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5月20日 (金)  第7日目

朝6時起床。7時、スペイン人夫妻と朝食。
久しぶりの本格的食事を食った。
トイレに行ってウンコもしっかりし、
9時ごろ宿舎発。
途中、町のおばさんからお接待ですと言って100円いただいた。
聞けば安嶋くんも100円いただいたそうだ。
これって何か詐欺っぽくないか?

17番井戸寺 9時20分着。安嶋くんも昨日と違って
大分ペースに合わせてくれているが、それでもしんどい。
井戸寺で神山温泉でなくなった杖と経本を再購入。
1時ごろ徳島駅近くの丸亀製麺で昼食。
1時間以上かけてゆっくりと休憩したので随分楽になる。
少し行ったところの徳島駅近くの分岐点で分かれる。
わざわざここまで来てくれて、宿も食事もお接待で
本当にありがたいことでした。(100円は許そう)

あと、延々と18番恩山寺まで歩き続ける。
ほとんど国道沿いの舗装路である。
舗装路も結構疲れるのだ。自販機の冷たい飲み物が
気に入ってしまい、1時間ごとぐらいに休憩がてら買って飲む。

道端でへたり込んでいると前の家の人が出てきて
「ほうじ茶」をお接待してくる。家に入って顔でも洗っては
と言ってくれるが、それは遠慮して、
どこか近くにテントを張れるところはないかなと聞くと
国道沿いの「露ケ本遍路小屋」というのを教えてくれた。
国道沿いのヤかましいところだけれど
屋根・壁つきの立派な小屋である。

誰もいなかったが、一人で占領する訳にはいかないし
7時過ぎまでベンチで寝転がって待っている内に
ベンチから転がり落ちて地面に頭を強打した。痛かった。

7時過ぎ、無愛想なおっちゃんが入場。
テントは張らないというので、
じゃあ私は、と小屋内にテントを張らせてもらう。
ここは本当にやかましかった。
耳にティッシュを詰め込んで寝た。
寒くはなかったのだけど10時すぎまで寝られなかったな。



        今日歩いた歩数 37758歩


   テント生活のよさは
   日が暮れれば寝る。
   明るくなれば起きる。
   そうしかしようがないところに立ち返れるということだ。



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5月21日 (土)  第8日目

5時起床。無愛想なおっちゃんはもう出発するところだった。
でも、恩山寺への道を丁寧に教えてくれ、あめ玉4つをくれた。
無愛想なだけで不親切ではなかったのだ。
そのあとコーヒーを飲んだり、かなりゆっくりして
6時45分 出発。  7時50分 恩山寺着。約40分休憩。
10時40分 立江寺着。しんどい! 
1時間半座り込んでいたら地元のおばちゃんがユンゲル・ローヤル顆粒とポカリスウェットをくれた。
ありがたい。これに元気をもらって12:00 出発。
が、そのあと、命がけの大失敗をした。

立江中学校近くのベンチで休憩して、
次の農協前に来て着時間を書こうとしたら
山谷袋が無い! 立江中学校前に置き忘れてきたのだ。
あの中には現金全部、パスポート、緊急連絡先(安嶋くん)の電話番号も入っている。
要するにテントと寝袋以外は何もなくなったし、
対応の仕様もなくなったということだ。
重たい荷物は全部捨て置いて、ほとんど駆け足で道を逆走。
途中歩いてくる遍路さんに聞くとありましたよ、と言ってくれるが、
それでも到着して見つけた時はへなへなと座りこんでしまったよ。
5時ごろ、「道の駅 ひなの里かつうら」着。
今日はここに泊まろうと決めていた。売店の人に、こういうところだからお酒は無いですよね、と聞くと
すぐ近くにコンビニがありますよと教えてくれる。
この裏にテントを張ってもいいですかと聞くと、
ええ、どうぞどうぞどこへでも、といってくれる。
コンビニでビール、酒、冷製茶碗蒸し、イカそうめん、
マカロニサラダなどを買って、テント設営後、
一人宴会。非常に幸せ!  8時頃就寝。

      今日歩いた歩数 41604歩


   諦めというのだろうか、明らめというのだろうか
   諦観と明察は近いなぁと思うよ。
   歩くより他、他のことを選べないというものいいことだよ。



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5月22日 (日)  第9日目

5時起床。味噌汁、茶碗蒸しなどで朝食。
しっかり大便もして7時30分 出発.
前半は車道だったんだが
後半は絶望的な厳しい登り道。
途中「水呑大師」でも水は一滴もでていない。
弘法大師ってのは安易な修行だよね。
喉が渇いたら水が湧いてくるんだものね。
私などそういうわけにもいかす本当苦行だよ。
それでも20番鶴林寺にはトイレあり、とあるから
そこまで行けば水が飲める、と頑張って到着すると
なんと! この水は飲用不可と書いてある。
自販機も売店もないし、手と口を清める
手水の水も出ていない。最悪だ。
座り込んでいると参拝のおばちゃんが元気を出しと
チョコレートを3個くれた。
これがまた、いつまでも口に残ってくるしかつたなぁ。
休憩しているどころではない。
すぐに出発。
でもね、うまくしたものだ。
10分ほど下ったところで、水がわき出て小さな滝になっている。
弘法くん、やってくれたのかんなぁ。
次の21番太龍寺までは遠いといっても6.7キロ。
でも、後半の登りは半端じゃあなかったよ。
2時過ぎには着くだろうと思っていたら、着いたのは4時。
山門を入ってから死ぬほど長い登り道が続いた。
途中おじさん二人からあめ玉のお接待をいただく。
太龍寺では4時20分発のロープウェイに乗って下山
「道の駅」のすごくきれいなところにテントを張らしてもらって
園内にある「そわか」という旅館を覗くと
一日入浴の風呂あり、缶ビールの自販機ありという。最高!
5時半〜7時まで入浴。そのあと東屋で一人宴会。
8時過ぎに寝る。

今日歩いた歩数 24559歩


   どうしたわけだろう
   はじめ数日真はほとんど何も食べなかった。
   空腹も感じなかったし、歩くのにも支障はなかった。
   ちゃんとウンコも出た。
   どうなっているんだろうかね。



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5月23日 (月)  第10日目

例によって味噌汁やココアで朝食をとって
7時20分、始発のロープウェーで山頂に戻る。
21番太龍寺を参拝した後、またまた下りばっかりの1時間余
足はガクガクになっている。
たぶん道を間違えたんだろう、随分遠回りをし、
22番平等寺についたのはもう午後を大分過ぎていた。
予定の薬王寺近辺なんてとても行けそうにはない。
国道55号に沿って歩いていると
途中で日が暮れかかってきた。
標識に「福井タム・公園」右折1キロと出ていたので
よ〜し、今日はそこに寝ようと急遽予定変更。
5時30分に到着。
公園は公園だけど人は誰もおらず、
トイレには蜘蛛の巣が張っているし、水道は「飲用不可」
田圃の草刈りをしていたおっちゃんを見つけて
どこか飲み水をもらえるところはないだろうか、と聞くと
トイレの水道で我慢しろといって帰ってしまった。
まあ、飲用不可でも沸騰させてやれば大丈夫だろう、
などと考えていたら、そのおっちゃん車で帰ってきて
茶瓶に水を運んできてくれた。
ありがたい。
7時、酒も一人宴会も無く、さびしく就寝。



      今日歩いた歩数 40641歩


   この遍路中に
   大人になってから酒を行ってきも飲まない日というのを経験した。



                              目 次 へ






5月24日 (火)  第11日目

今日は野宿はやめて、薬王寺近くのホテルに泊まるぞ。
そして薬王寺から室戸岬までの「歩き」はやめて
随時、電車やバスを使ってゆっくりと廻る、と決心。
これで随分、気分的には楽になったんだけれど
歩くんはやっぱりしんどい。
そろそろ体力の限界にきているのかもね。

寝にくかったこともあって朝は早く5時半に出発した。
道はほとんどが舗装道路なんだが、長い登りと下りがあって
しんどい。

昼前になって海が見えてきた。
由岐漁港とか、たいのはま、木岐漁港など風景は非常にいい。
浜辺で寝転んでいると地元のおじさんが来て
いろいろと遍路の話なとをしてくれた。
出発際に自販機でなんでもお接待するから
冷たい物を飲め、といってくれる。
ありがたくポカリスゥトいただく。
俳句の碑がいくつも立った登り道、
舗装路の山座峠などをこえて人里に入ってくる。

今日はとにかく、寺より宿だ。
2軒断られて3軒目に「ウミガメ荘」に入る。
まだ2時15分だったけれども入室させてくれる。
ただし、風呂は4時半から、WiFi はできるが
電話は公衆も取り次ぎもできないという。
27日の室戸荘ての食事のことや、
明日の宿の予約などもあるけれど
まあ、明日薬王寺に行けば公衆電話もあるだろう
と、ビールを一缶買って部屋で休憩。
4時半から風呂に入って、7時から立派な夕食(勿論ビールも)
幸せだなぁ。王侯貴族もこんなに「美味い!」と思って 飯を食うことは少なかろうと思ったものだ。

畳の上においた簡易ベットだったが気持ちよく8時就寝。

今日歩いた歩数 36545歩


   遍路は随分人気だけれど
   歩いている人は少ない。
   札所では何十人と会うんだけれど
   一旦「遍路道」に入ると人に会うのは
   一日に数人ということもめずらしくない。



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5月25日 (水)  第12日目

朝4時ごろに起きて、今までの遍路の経緯を
まとめている。なかなか思い出せなかったり、
前後したりしていてこれも大変な作業だ。

昨夜来、あめが降っていたようだが
朝の6時現在、まだ小雨がのこっている。
ここは9時半ころ出発の予定なので、
そのころには上がっていてくれればいいのだが・・・
それにしても昨日、野宿なんかしておれば
ホント大変だったなあ。
神様が気を使ってくれていることを
ひしひしいと感じる。

おいしい朝ご飯を食べて9時半出発。
まずは薬王寺の参拝である。
ところがここで、またまた大事件出来。
突然、ホントに突然、下痢が襲ってきた。
薬王寺間で゜600m、なんとかたどり着いて
トイレに駆け込んだとたん失禁。
パンツやズボンを汚してしまったのだ。
そこでパンツやズボンを捨てて
タオルでお尻や足をきれいに拭き
リュックから最後に残っていたズボンと
はき替える。幸い誰も人が来なかったからよかったものの
まあ、いろんなことが起こるものだ。







ふらふらになって参拝を済ませ、
日和佐駅から宍喰まで電車にのる。
その頃は外はもう本格的な雨である。
単線なので車窓の両側に迫る鮮やかな緑、
それに雨が輝きを添えている。
約30分ほどで宍喰についた。
雨はまだ上がっていない。

ここで初めてリュックの上にポンチョを
つけてホテルリビエラまで約10分歩いた。
これも一度やってみたかったので結構嬉しかった。







ホテル リビエラはえらい立派なホテルだった。
値段は一番高いくせに夕食なしである。
それはそれでいい。風呂がすごく大きくて
気持ちがいい。出たり入ったり2時間ほど入っていた。
それから、かさを借りて散歩がてらに
近くのコンビニに酒のつまみを買いに行く。
買ってきたざるそばを食ってからまた風呂に入り
缶ビール(べらぼうに高かったけどね)を買って
部屋で飲んで寝る。

今日歩いた歩数 8421歩


   一回下痢に見舞われたけれど
   足がつるとか、まめが出来る、疲労がたまる
   というようなことは無かった。
   ちょっと休憩すれば、また歩けるし、
   テントで一晩寝れば、初日のように元気に起きれる。


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5月26日 (木)  第13日目

朝5時半から風呂に入る。
7時 朝食バイキング。
雨は降っているのか、いないのか
分からない分からない程度、でも降っている。
どうしようかな。
そのまま電車で甲浦まで行ってもいいんだし・・・
随分悩んだ末、やっぱり歩いて行くことにした。

細かい雨を大きな菅笠で防ぎながら
左手に太平洋を眺めながら歩く
大変気持ちのよい物であった。
ところが途中で雨が本降りになってきた。
ちょうど遍路小屋があったので
そこでポンチョをとりだし、
本格的な雨具での遍路となった。
これもまた悪くは無かった。

甲浦からバスに乗る。
太平洋の砂と岩の海岸を
左に見ながらずんずん走っている。
本当はここを歩いていたのかと思うと
なんて無謀なという気がしてくる。

1時過ぎ、今日の宿「民宿 徳増」着。
風呂は3時半からといわれて、
それはそれで結構。
その間にやっと今までの経緯をまとめることができた。







民宿徳増というのは一体何なんだろうな。
観光案内所でも特に強く推薦されかきがする。
周囲に特別な景観があるわけでもない。
和室だけで施設も古いし、サービスや食事がいいというわけでもない。
値段もそこそこ高い。昔からの伝統的な遍路宿ということなんだろうか。
でも、私のためには和室に折りたたみの机をいれてくれたし、
食事も私だけテーブル席にしてくれた。
テント宿舎から比べると施設に文句を言えたものではない。

夕食を食ってちょっとテレビ(と言ってもサミットのニュースばかりだが)
を見て8時頃には自分で布団を敷いて寝た。

      今日歩いた歩数 9499歩


   次は?って聞かれることも多いけど
   次は室戸から足摺とか、考えているわけではない。
   また、その時になったら、その気になったら
   というだけのことである。
   もつとゆっくり歩ける気持ちになったら
   室戸→足摺は楽しいだろうなぁ


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5月27日 (金)  第14日目

すごくいい天気である。
5時頃起床。サミットのニュースを見たり、
寝床を片付けたり、トイレに行ったり、
ぶらぶらして時間をつぶす。
少し、外に散歩にも出たが、国道と海だけである。

6時30分 朝食。
7時45分、室戸行きのバスに乗る。
8時過ぎには今日の宿、むろと荘についてしまう。
なんぼ何でも少し早すぎだわな。
留守番の何も分かっていないようなおじいさんにたのんで
ここで着替えさせてもらい、荷物を預けて外に散歩に出る。
もともとは身軽になって最御崎寺や室戸灯台などを
ぶらぶらするつもりだったが、なにしろ暑い。 
海岸の遊歩道をぶらぶらしただけで、
それはそれですごい景観なんだが、汗びっしょりだ。

海岸を 歩いていて、ふと思いついた。
ホテルに行けば朝風呂にはいれるかもしれない。
丁度、ホテル明星(あけのほしというのが見えたので
そこで聞いてみた。すると
いいですよ、ただ時間が1時からなんです、という。
これはどうしても最御崎寺へのお参りはせよ、
というお告げなのかなぁ。
神様には逆らえんし、行こうか、と歩き出したら
ホテル・ジオパークってのがあって
そこでアイスティーを飲んだ。そうするともう動く気にはならない。
そのレストランの窓際に1時間半ほどねばって
今、この原稿を書いている。

明星の風呂が1時からだったら
12時頃にホテルに行ってレストランで飯を食いながら
1時を待てばいいじゃあないか。
そして2時間ほど風呂を楽しんで
ゆっくり帰れば丁度室戸荘のチェックイン時間となる。
と思って、再びホテル明星に行くと
そんなに待たなくてもすぐ近くに
深海水温泉の専門施設がある、
そこだったら今すぐ入れる、と言われてそちらに向かい。

施設は大きく立派なんだけれど
風呂は大浴場と塩っからい深海水の露天風呂だけ。
でもその深海水温泉に出たり入ったり1時間半はいたな。

そして、バスで室戸荘に帰る。すぐビールを一本もらって休憩。
今度は先の原稿をワープロ打ち。

今夜一緒に食事をする滝沢さんとも連絡が取れて、あとは楽しく会食のみ。

6時丁度、滝沢さん夫妻車で到着。
聞けば今朝私と会うためだけに宇治を出発。室戸まで来てくれたんだそうだ。
てっきり多の旅行のついでに日程を合わせて、
室戸に寄ったのだと思っていた。
本当に恐縮。なんでこんなことが出来るのだろう?

部屋で30分ほど話した後、1階の食堂で会食
刺身やたたき、いろいろな貝の身の他
この頃珍しい鯨の身なども出てなかなかのごちそうである。
話も楽しい、飯もビール(私だけだったが)も美味い、
女将さんの話も結構興味深くて、最高のひとときであった。

会食が終わって滝沢さん夫妻が帰った後、
ビール一本を部屋に持ち帰って太平洋の波をつまみに一人でしみじみと飲む。

今日歩いた歩数 ・・・・・歩


   私の友達が遍路に出たら
   私はそれと触れあいに、覗きに行くだろうか。
   私は出来ないかもしれないけれど
   私にはそう言うことが出来る友人がいる。



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5月28日 (金)  第15日目

やっぱり5時頃に目が覚めた。
外はなんとなく小雨模様である。
傘をさしている人がむいる一方、
走っている車のワイパーはむ動いていない。

今日は一日、滝沢さんの車で移動だ。
運転する滝沢さんには申し訳ないが
なんとうまいタイミングで雨と晴れを
繰り返していることだろうか。

最終的に荷物を整理した。
白衣も金剛杖も捨てる。
ただし金剛杖は記念として、
宿のおじさんに鋸を借りて
握りの部分だけを持って帰ることにした。

7時、朝食。これもなかなかよかった。
8時、滝沢さんの車で出発。
延々と走って、1時半ごろ、JR舞子駅で降ろして貰う。

今日はASAHIサウナ・スパ出の宿泊だ。
カプセルに入るのは3時以降だが
風呂は今すぐ入ってけっこうですよ、ということなので
まず、なにはともあれサウナと風呂に。
今回は30分ほどの入浴で切り上げ
ビールを一杯飲んで、レストルームというところで
今、これをワープロ打ちしている。

どこもかしこも飲食禁止なのに
缶ビールの自販機がある。
結局4缶買ってカプセルの中で飲みました。

今日歩いた歩数 ・・・・・歩


以上で今回の「四国遍路記」を終わります。
何分しんどかったので、ほとんど写真を撮る余裕もないという感じでした。


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